疏水分線

ソガ/疏水太郎のブログです。

エッセイ

すずめの戸締まり(2)

感想ですよ(その2)

すずめの戸締まり

感想ですよ。

雨を告げる漂流団地

幼稚園から小学校にかけてのことを、間取りまで思い出してみましょう。自宅のなか、県営プールのなか、学校のなか、本屋さん、いつもの中華料理屋さん、すぐなくなったほうの中華料理屋さん。それらをつなぐ道、思い出せなくて途切れる道。連続した空間とし…

まぼろしの小さい犬

小さい犬の描かれた表紙を見て、果たしてこれはある一匹の犬をいろんな具合でたくさん描いたものなのか、いやもしかすると、なにかそうではないことを描いていて、まぼろしの犬は一匹どころかどんどん増えてゆくようなお話なのではないか(なんせまぼろしで…

彼女の向いたその先へ

CGの右と左のベクトル、表と裏のシルエットのことを長いあいだ考えています。 年末に制作したおでかけ結月さんキット、というのは突然でてきたものではなく、CGについて前からもっていたある考えを実際やってみたかったからでした。 紙人形の反転 こちらの紙…

森のなか

電子計算機と情報科学の歴史を追いかけていたらいろいろ面白くなってしまった、というのがまずあります。そこから他の興味についても見つめなおしてゆくとどうなるのかな、と。 それは、表現の変化だけだと思えるようなところに、なにか関係してやいないか。…

ゲームブックの記法について(2)声明の記法

(前回の話はこちら。>ゲームブックの記法について) ゲームブックと楽譜の関係が気になり始めたきっかけはもう忘れてしまったのですが、人が紙を読み進めることで「プレイ」(演奏)される点、そこで記号を用いた分岐や繰り返しの行われるところにいつか共…

ゲームブックの記法について

ゲームブックの表現は多様なので、一般的な様式について語ろうとすると、ああいう表現もこういう表現もあるなぁ・・と立ち止まってしまいます。ただ、そこではビデオゲームに近いことも行われているのではないか、という現代のゲーム観から素朴に導かれるだ…

ヴィネットの子たち

リヴリーのこちらの絵(スクリーンショット)がたいへんお気に入りです。下に降りてるのですよー!・・と言って伝わるでしょうか? リヴリーはヴィネットの世界をつくるアプリで、台は立体を斜め上から見た角度になっています。ヴィネット風のイラストという…

インベントリと彼方の箱

わたしのインベントリ画面を更新しました。箱16から箱18までとそのほか下に載せたあたりです。 図書館から(9/1まで) 箱16 箱17 箱18 自室三段BOX中段 自室机上 自室黒猫紙袋 作業を終えるたびに未整理の荷物はあと5箱くらいかなという感覚でいますが、今回…

キハ窓外放出事件

列車の窓からものを投げなくなったのは、いつからだったでしょうか。 漱石の三四郎では鮎の駅弁を窓外に捨てたら後ろの人が食べ残しの汁などかぶって迷惑するという場面があります。逆にいうと、少々注意さえすればごみを窓から捨てるくらいは行われていた様…

カードたちの物語

たのしいカードたち 「宇宙よりも遠い場所」の同人誌は、自分の好きなものを詰め込もうという気持ちで制作しています。二次創作小説「真昼のアステリズム」も、企画を練っているうちに情報のスケッチされたカードと会話を中心とした本文のお話とがゆるく響き…

アリーテ姫

アリーテ姫 [DVD] 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2002/12/21 メディア: DVD 「アリーテ姫」2002年11月30日にレンタルビデオで見たときの感想をこちらに載せておきます。見たことがある人向けの感想です。 ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ア…

星図と星座絵(メモ)

去年の冬コミ本のためにエリダヌス座アケルナルの歴史を調べたとき、現代の私たちにとって見慣れた星図のうち、星座の絵と星の位置とを重ねあわせたものは意外と新しいらしいことを知りました(スーフィー「星座の書」964年)。考えてみると、星座の絵を透視…

ダンチェ・アルアルチカ

耳をすます、チューンを合わせて異国の声が届く。それを言葉と思うのは送り手がいるという信頼、音に認められる構造、あるいは。やめよう、私はこのゲームの作者を知っていて、彼のことを思わずには受け取れないから。 なにもかも話し足りないオブジェに耳を…

メッセージの遅配

よりもい第12話について。以下、本編をご覧になった後で読んだほうがいいんじゃないかな。 ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ 第12話を見終わったとき、報瀬のメールが報瀬に届いて本当に良かったなぁと思いまして。どうしてそういう気持ちになっ…

インガンダーラ

今夜も夢みたいな話をいたしましょう。 「空の青さを知る人よ」という題の映画を見た感想で、主人公相生あおいの友人になる大滝千佳さんの話です、たぶん。まぁ、まだ見てないひとは明日見に行ったその後で読んだほうがいいんじゃないかな? 似てる、という…

よりもいがきっかけでやったこと

よりもいファンのひとで、よりもいをきっかけに何かを始めたとか、これまで思いもしなかったことを実行してみた、あるいはこれから計画しているとか。そういう話をよく伺います。 多分よりもいは、そういうことを後押しする何かがある作品なのだと思います。…

「恋愛の痛痒」

泉鏡花の恋愛至上主義は代表作の「婦系図」に見られて、反恋愛とされる権力の一族はピストル自殺、投身自殺へと追いやられる。これが当時一世を風靡した通俗小説である。 婦系図を上回る恋愛至上と反恋愛に対する苛烈な復讐といえば「夜叉ヶ池」であり、泉鏡…

君の名は。天体と、古典と。

まずは、君の名は。初回鑑賞時(2016年9月3日)の感想です。 離れていると名前をよすがに繰り返すことになる。 ノボルくんノボルくん、瀧くん瀧くん。 本人のいない場所で唱えられる愛しいひとの名前を聞いてると、 わたしはどきどきするね。 という話は、ほ…

修行する中学生

ひとりぼっちの○○生活 アニメ第10話。 完璧な/強い中学生としての自分を思い描く中学生にゃ弱いですよ、わたしは。中学1年生の初詣の願い「わたしは強いひとになる」(倉井佳子)「わたしは完璧なひとになる」(本庄アル)の並びにやられた。私にはどうもこ…

夜にひとり出てゆく

旅の夜、みんなから離れひとり宿を出てゆく。 一度目は海だった。学部最後の夏、徳島の阿南で合宿をした。はたしてどの辺りだったか? 20年経つと記憶が怪しいのでこの機会に振り返っておきたい。それは Google マップのストリートビューが手伝ってくれる。…

三宅日向さんの羽生と館林をつなぐ文豪

「宇宙よりも遠い場所」では、旅の始まりの地として群馬県館林市に関わる名前や風景がたくさん登場します。分福茶釜で有名な茂林寺、キマリさんやめぐっちゃんの住む町並み、バイト先のコンビニ、キマリさんと報瀬さんが放課後落ち合った城沼の東屋、等々を…

ピストンの下りる音について

『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』を見てきました。 黄前さんと奏さんの出会いの場面で、黄前さんが胸に抱いたユーフォニアムのピストンだけ押すところが気に入っています。息を吹き込んでないし、そもそもマウスピースに口をつけてない…

十字キーが可愛い

オーディンスフィアの屋根裏部屋について。可愛いのでわりとよく知られた画面ですけども。 ここで、上ボタンで台に上ります、というのは何のことはない、普通のアクションですよね。台というのは高いものだし、画面端のヒントに書かれた「上ります」という言…

僕の手はこびとの定め

ゲームの駒がおよそ同じ大きさなのは、どういうことだと思う? まぁ、僕らの体のサイズがそれを決めてるって、僕はいつもいうけど。 生命のいなくなった星を想像するみたいに、駒のいなくなったボードを想像してみてください。彼らの残した遺跡があるでしょ…

さし絵の昼と夜

ニレの木広場のモモモ館 (ノベルズ・エクスプレス) 作者: 高楼方子,千葉史子 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2015/10/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「ニレの木広場のモモモ館 」は壁新聞をつくる子供たちのお話で、千葉史子(ちかこ…

宇宙よりも遠い水辺

「宇宙よりも遠い場所」(よりもい)第1話の水の風景が好きです。私はいつも水や星や夢のことばかりですが、よりもいの星と夢の話はこれまでに書いたので、今回は水の話をしたいと思います。 ※最終話までの内容を前提としていますので、最後まで見ていない方…

宇宙よりも遠いファンタスティック(前編)

アニメ「宇宙よりも遠い場所」(よりもい)の幻想的な描写が好きです。 宇宙というタイトルや南極という目的地から連想されるほどにはアニメ本編は私たちが抱えている日々から離れないし、どちらかというと人の言葉や行動で前進する話なので、本作品の幻想性…

書籍「宇宙よりも遠い場所」を抱いて

よりもいの第1話にはキマリさんと「宇宙よりも遠い場所」という本との出会いもあったように思われます。それは放課後に親友からの誘いを断ってまで図書室へ探しにいった本で、手に取ってそのまま心奪われたように頁をめくり、呉への旅にも一緒に連れて行った…