以下、映画「アリスとテレスのまぼろし工場」のネタバレはたぶんありませんが、TVドラマ「ねらわれた学園」(原田知世さん主演)のネタバレがあります。
上の本予告映像を映画館で見たときの「未来はあなたのものよ、でも、正宗の心は私のもの」という言葉が気になっておりまして。じゃあ、正宗くんの体は誰のものになったの?
そんな変な問いが出てくるのにはわけがあって、昔みてたTVドラマでずっと心に残っている場面があるからなんです。SF作品「ねらわれた学園」で京極さんという超かっこいいエスパーがおられるのですが、このひと最終回では結果的にある女の子の体だけ未来へ連れていって、心は現代に残ったんですよね・・って言っても伝わらないか。
未来からやってきた京極少年(本田恭章)の手下で彼のことが大好きな高見沢みちる(伊藤かずえ)というひとがおられるのですが、京極さんは主人公の楠本和美(原田知世)のほうをパートナーに選んで未来へ連れて帰ろうとします。和美さんはみちるさんの気持ちを知っていたので、超能力でふたりの意識を入れ替えて、未来へは和美さんの体(意識はみちる)、現代にはみちるさんの体(意識は和美)が残るという結末でして、文章で書くとそんなんでいいのかと思われるかもしれませんが、ドラマとしてはこれがなかなかにファンタスティックで晴れやかな終わり方でした。現代におけるラストシーン、みちるさん(伊藤かずえ)のそれまでのことが吹っ切れたような笑顔は、中身が和美さんであったとしても、ふたりにとっての良い結末を感じさせるものでした。これずっと好きです。
あとは映画本編を見た上での感想となります。さて、あの場面ですが、例えば「正宗の心は私のもの」でなく「正宗は私のもの」と置き換えることができるだろうか、というのがこの台詞を気にしていた結果として抱いた思いでした。「心は」というのがあえて入れられたように思えたわけですね。作品の射程として心身問題のことも考えてしまうところはありましたが、その話題を差し置いても、あの場面で睦実さんが「心は」とあえて仰るのは、変化しない暮らしのなかでの心の変容を描いていた物語の流れにぴたりと当てはまる瞬間だったなぁと思えましたので、なんだか妙なフックをもったまま本編を見たのではありますが良かったんじゃないかなと。
陽菜さんはじめクラスメートのひとたち好きです。車のシーンとくに。