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おへんろ。~八十八歩記~冬・僕もすこしだけ歩いた

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「おへんろ。~八十八歩記~夏・私たちも歩いた」上映会+トークイベント
2015年2月8日(日)17:00~ シネマート新宿

四国のお遍路さんイベントに東京で参加することができた、と言えるだろうか。遠い巡礼の旅を近所で済ませる横着は昔からあって、東京ならば近くの富士塚で富士山登拝の代わりとなった。まぁ、横着と言うな。僕もこのところ膝が悪いし誰しも歳を取ればそうなる。それに東京を離れられない事情の人もいる。

そういうわけで、徳島でしか公開されてなかった映画を見るため "おへんろ。~八十八歩記(はちはちあるき)~" の東京イベントに参加した。おへんろ。は四国八十八ヶ所を紹介する実写情報番組で、番組ナビゲーターとしてはアニメの人物が登場する。担当声優の山下七海さん、江原裕理さん、高野麻里佳さんもこれまで何度か遍路道を歩いておられて、本日上映された映画はそのお遍路の様子を編集した映像作品である。

 


おへんろ 。~八十八歩記~ 夏・私たちも歩いた【予告編】 - YouTube

 

映画は2014年10月に徳島で開催されたアニメイベント(マチ★アソビvol.13)で上映されたものが、ドリパスでのリクエストが集まった結果、改めて東京でも上映されることになった。僕は現状、徳島まで出かけられないので今回のことは有り難かった。


トークイベント付き!『おへんろ。~八十八歩記~ 夏・私たちも歩いた』復活上映なるか!?@シネマート新宿 | ドリパス

季節は夏、江原さんがまだ高校生なので今回は夏休みに合わせた巡礼である。映像は三人が遍路道を探しながら歩いてゆく姿を追いかける。およそ地図は見ずに行くのであるが、道のいろんなところにへんろみち保存協力会のみなさんが貼った赤いシールのお遍路マークやそのほか地元のみなさんの立てた道しるべがあって、その矢印に沿って行けば進めるようになっているのである。ただ、時にこのマークが見つからなくて、道に迷ってしまいそうな不安を感じる。見つかるとほっとする。そうしているとまるで宝探しをしているようだった。

巡礼の三人が道々話をしている様子が良かった。徳島出身の山下七海さんは阿波弁を織り交ぜたトークが魅力的で、東京の高野さんと九州の江原さんも七海さんの阿波弁を真似しながら歩いていたりする。一緒に歩いて話していると、言葉はそんな風に乗り移ってゆくんじゃないかと思う。

山下七海さんが「ななみホッチキス」という不思議な技を持っておられることは Wake Up, Girls! のファンには知られているが、今日のステージで披露されたときには「なにそれっ!?」という(確か)高野さんの反応で、新鮮なものがあった。ななみホッチキスはそう宣言することによっていろんな場面で流れを断ち切ったりなかったことにできるという設定の技であるが、そうした文脈の深いこともこれからまた互いに通じる言葉になってゆくのかなと思った。

 

イベント会場の シネマート新宿には隠しおへんろが用意されていることに気づいた。シアターの周りの通路に「お」「へ」「ん」「ろ!」の4文字がばらばらに貼られていたのである。「ろ!」は男性用トイレの入口の目立つところにあって、僕はそれで気づいて他の文字を探し始めた。「お」は売店のところにあるので普通はそこから始めるのかもしれない。

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上映時間前までには「お」「へ」「ろ!」しか探し出せなくてどきどきした。上映イベントの間に撤収が始まってシールがはがされてしまうんじゃないかって思ったのだ。イベントが終わったらすぐに通路を巡ってシールを探した。そうしたら「ん」を床に近いところで見つけられてほっとした。「お」「へ」「ん」「ろ!」巡礼コンプリートである。

お大師様の待つ四国は遠い。しかし東京の高雄山に薬王院大師堂という小さなお堂がある。お堂は八十八体のお大師様の像に囲まれていて、こちらを拝みながらお堂をひと巡りすると四国八十八ヶ所の巡礼と同じになるとされている。それは同じではないかもしれないが、そうやって思いを馳せることが心に沁みるんじゃないだろうか。

東京にお遍路マークの道しるべはないのであるが、代わりにこんな小さなお遍路を用意していてくれたことがとても嬉しかった。

 

(2015年2月8日)