疏水分線

ソガ/疏水太郎のブログです。

nanoblock 基本セットで作る南極便 バスラ- BT-67

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1.はじめに

南極便を運航する ALCI のバスラ- BT-67 機を nanoblock(ナノブロック)で制作します。厳しい極地を飛びますが、白一色の世界でも目立つ赤と青のカラーと、主脚の車輪にスキーを履いた姿が可愛い飛行機です。

必要なものは nanoblock の基本セット「スタンダードカラーセット」(NB-023)だけですので、初めての人でも手をつけやすい作品になっているかと思います。本記事を見ながらじゃんじゃん作ってみてください。

BT-67は、南極観測の活動とも深い関わりがあります。このため、アニメ「宇宙よりも遠い場所」(よりもい)でも第11話OP直後に登場しますのでよろしければそちらもご覧になってください。BT-67がアニメーションで描かれるのはこれが最初で最後のように思われますので。

 

2.バスラー BT-67と南極観測

南極には世界各国の観測基地が点在し、南極条約の下で互いに協力関係にあります。なかでも日本の昭和基地はドロンイングモードランドと呼ばれる地域にあって、同地域にある他の10カ国と共同で、南極の内外と南極域内とをつなぐ航空ネットワーク DROMLAN(ドロームラン:ドロンイングモードランド航空網)を運営しています。今回作成する BT-67 はこの南極域内での航空網で運用されている飛行機です。

日本の南極観測といえば、砕氷船のしらせに乗って昭和基地へやってくるというイメージがあるかもしれませんが、現在では航空機の果たす役割も高まっており、しらせには乗らない10数名の先遣隊が DROMLAN を使って、しらせが着くよりも先に南極へ到着し、いち早く仕事へ取りかかれるようになっています。

下の極地研の記事に DROMLAN と BT-67 のフォト&ストーリーがありますので、まずはこちらをご覧になればイメージを掴めるかと思います。

www.nipr.ac.jp

なお、DROMLAN が出来るまでの経緯と日本の南極観測との関わりは、こちらの極地研の本のコラムが詳しいのでもしご興味があれば。

南極観測隊のしごと―観測隊員の選考から暮らしまで (極地研ライブラリー)

南極観測隊のしごと―観測隊員の選考から暮らしまで (極地研ライブラリー)

 

 

3.ALCI 南極域内便 バスラ- BT-67

バスラ- BT-67 というのは機体の呼び名で、アメリカの Basler Turbo Conversions 社が生産しています。BT-67 は1930年代に開発された伝説の名機ダグラス DC-3 をバスラー社が改修し、特にエンジンをターボプロップエンジンへとアップデートした機体なので、DC3-TP67 (TP: Turboprop) という名前もあったようですが、今は BT-67 (BT: Basler Turbo) と呼ばれています。

BT-67 はさまざまな場所で使用されていますが、今回ナノブロックで作成するのは、南アフリカの航空会社ALCI(http://www.alci.co.za/)が運航する DROMLAN の南極域内便です。他の BT-67 との見た目の違いは南極で使用するためスキーを履いていることと、トリコロールの機体色です。そのほか、南極での不時着を想定したサバイバルキットを備えていることも特徴です。(性能諸元はこちら

なお、南極における BT-67 は南極ツアーを手がける White Desert 社も使用しており、こちらは Enterprise Airlines 社が運用担当しています。下の映像は White Desert の BT-67 で、360度VR映像で体験できるのでお薦めです。カラーリングが ALCI のものとはやや異なります。

www.youtube.com

4.nanoblock について

さて、nanoblock の作り方について、nanoblock がはじめての方は、こちらの記事に最初から手順を紹介してますのでご覧ください。 

 本記事は「nanoblock 基本セットで作る」シリーズ と銘打っていまして、これはスタンダードカラーセットを1つ購入するだけで、「宇宙よりも遠い場所」に関わる南極nanoblock作品をぜんぶ同時に作って遊べるようにすることを目指しています。シリーズの一覧はこちらからどうぞ。

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5.バスラー BT-67・設計図

 

それでは、今回の設計図はこちらとなります。

nanoblock.info

 小さくてパーツも少ないのですぐに作れるかと思います。

 

6.ジオラマのススメ

せっかくなので、DROMLAN の滑走路を作りましょう。

こちらに昭和基地での海氷上での滑走路の作り方が映像つきで紹介されています。

antarctica.dreamlog.jp

南極大陸上の滑走路についてはこちら。いずれも目印の黒旗が特徴となります。

www.nipr.ac.jp

よりもい第11話ではこうですね。二枚目では三つ穴が逆さまなので、きっと隊員のだれかが作業を間違えたのでしょう。

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さて、三つ穴の旗をナノブロックで小さく作るのは難しいので、風に吹き流されてるイメージで作成しました。あと滑走路の両脇には整地されてない雪を残してみました。

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こんな感じですかね。もっとたくさん旗を立ててもよかったかな?

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7.ALCI に乗るっ!

余談ですが、極地研の田邊優貴子先生が DROMLAN で南極入りする際に、ALCI の運航する飛行機に搭乗された体験が次の2つの記事で紹介されています。搭乗までの雰囲気が判る貴重な記事だと思います。

南アフリカのケープタウンから南極大陸のロシア基地(ノボラザレフスカヤ基地)までは大陸間飛行のため、Ilyushin 76 TD-90 というジェット機を使用します。DROMLAN において BT-67 が使用されるのは南極域内での移動のため、記事のなかには出てきません。

natgeo.nikkeibp.co.jp

natgeo.nikkeibp.co.jp

8.おわりに

さて、最後まで無事完成されましたでしょうか?

お手元にナノブロック版の バスラー BT-67 をお届けすることが出来ていれば幸いに思います。

ぜひともあなたの机の上でブンドドしちゃってください。

 

作ったり、改造したりした時には、Twitterで教えて頂けるととても嬉しいです。

(私のTwitterはこちら。 https://twitter.com/canalsphere

 

それでは、ぜひ楽しい南極ナノブロックライフをお送りください!

 

2019年4月30日 ソガ

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