疏水分線

疏水太郎/ソガのブログです。

あさっての季節

f:id:kgsunako:20180514201211j:plain

5月14日 月曜日、晴れ。昨日の東京は雨でしたが、今朝はカラッと晴れ上がりました。熱気すら感じられるなか、結月さんが小淵沢邸を訪問した第3話は今時分のことかと思います。軽く死ねる夏日が続いたかと思えばまた寒かったり、お天気かと思えば風が強かったりと目まぐるしい5月のこと、結月さんの夢にも季節の変わり目から嵐が吹き込んでいました。

宇宙よりも遠い場所」ではあしたの季節も信用できません。出会いの春(第1話、第2話)から初夏(第3話、第4話)を経て、真夏も秋も飛ばして冬(第5話)を迎えたかと思えば、その後は南半球の夏(第7話以降)。夏服は6月からじゃなくてシンガポールでの衣替え。第6話の赤道越えが夏への扉なんですよね。

昨日まで冬だったのに今日は夏。あさっての季節は一体なんでしょう。

12月というのは日本では冬だけどフリーマントルは夏で、しかも南極では夏だって夜は氷点下で。遠い場所へ行くだけじゃなくって彼女たちの知る季節が揺らぐこと、それもまた冒険であると言えるでしょう。

f:id:kgsunako:20180514201654p:plain(第6話)

さて、ここでもう一度、5月のあの日に戻りたいと思います。タヌキも汗をかいていたまるで夏みたいな5月の日。駅を鏡に映す逃げ水も、結月さんの頬を伝う汗も、小淵沢邸門前の打ち水も、本編では描かれなかった日本の真夏を窺わせます。

ところで、タヌキは汗をかきませんので、少し前には雨が降ったのでしょう。そう思うと遠く向こうの逃げ水も、門前の打ち水も、なんだか水たまりのように見えてきます。雨が降って止んだかと思えば馬鹿みたいな暑気に包まれて、雨上がりみたいな焼けた石みたいな道を結月さんは歩いて行きました。 

f:id:kgsunako:20180514214905j:plain

そして、8月みたいなこの5月の日に小淵沢邸では熱いお茶が出てきます。《まだ5月だから》という報瀬さんの祖母は季節を自分でグリップしてる人なのですが、私たちはきっと5月の変化に目眩するんじゃないでしょうか。第3話の冒頭で日射しに撃たれるさまは、結月さんが夜みる夢の嵐すら予感させています。そして、それもまた冒険の日々で。

 

鏡のような水の気配や頬を伝う滴にも、どうか、めくるめく感傷を。

 

(2018年5月14日 疏水太郎)

 

※説明のためアニメ「宇宙よりも遠い場所」第3話の画面を引用させていただきました。引用に際しては、トリミングを行っております。

 引用されたアニメ作中の画面の著作権は、(C)YORIMOI PARTNERS 様にあります