あさっての季節
5月14日 月曜日、晴れ。昨日の東京は雨でしたが、今朝はカラッと晴れ上がりました。熱気すら感じられるなか、結月さんが小淵沢邸を訪問した第3話は今時分のことかと思います。軽く死ねる夏日が続いたかと思えばまた寒かったり、お天気かと思えば風が強かったりと目まぐるしい5月のこと、結月さんの夢にも季節の変わり目から嵐が吹き込んでいました。
「宇宙よりも遠い場所」ではあしたの季節も信用できません。出会いの春(第1話、第2話)から初夏(第3話、第4話)を経て、真夏も秋も飛ばして冬(第5話)を迎えたかと思えば、その後は南半球の夏(第7話以降)。夏服は6月からじゃなくてシンガポールでの衣替え。第6話の赤道越えが夏への扉なんですよね。
昨日まで冬だったのに今日は夏。あさっての季節は一体なんでしょう。
12月というのは日本では冬だけどフリーマントルは夏で、しかも南極では夏だって夜は氷点下で。遠い場所へ行くだけじゃなくって彼女たちの知る季節が揺らぐこと、それもまた冒険であると言えるでしょう。
(第6話)
さて、ここでもう一度、5月のあの日に戻りたいと思います。タヌキも汗をかいていたまるで夏みたいな5月の日。駅を鏡に映す逃げ水も、結月さんの頬を伝う汗も、小淵沢邸門前の打ち水も、本編では描かれなかった日本の真夏を窺わせます。
ところで、タヌキは汗をかきませんので、少し前には雨が降ったのでしょう。そう思うと遠く向こうの逃げ水も、門前の打ち水も、なんだか水たまりのように見えてきます。雨が降って止んだかと思えば馬鹿みたいな暑気に包まれて、雨上がりみたいな焼けた石みたいな道を結月さんは歩いて行きました。
※
そして、8月みたいなこの5月の日に小淵沢邸では熱いお茶が出てきます。《まだ5月だから》という報瀬さんの祖母は季節を自分でグリップしてる人なのですが、私たちはきっと5月の変化に目眩するんじゃないでしょうか。第3話の冒頭で日射しに撃たれるさまは、結月さんが夜みる夢の嵐すら予感させています。そして、それもまた冒険の日々で。
鏡のような水の気配や頬を伝う滴にも、どうか、めくるめく感傷を。
(2018年5月14日 疏水太郎)
※説明のためアニメ「宇宙よりも遠い場所」第3話の画面を引用させていただきました。引用に際しては、トリミングを行っております。
引用されたアニメ作中の画面の著作権は、(C)YORIMOI PARTNERS 様にあります
白石結月さんと夜のヴィジョン
目が覚めたとき、たかだか夢を見たというだけなのに心をかき乱されて、切実なところに触れられてしまうことがあります。夢の内容は自分の意志でどうにもならないから、意志の働くところを描きがちだった「宇宙よりも遠い場所」において、第3話のような夜みる夢に心を揺すられる話が交じってることは大きく採り上げたいと思います。
このことはすでに絵の中で簡潔に触れたつもりですが、もう少し言葉を書いてみようと思います。
第3話の夢で印象深いのは、結月さんの目の回るような落下でした。カメラは窓側から結月さんの足裏を捉えた後、今度は見上げて結月さんの顔を映し出します。はしごがゆらっとする様子も、ゆっくり倒れてゆく様子も心臓が縮みます。風はもの凄く、葉っぱが舞い、髪も大きく乱れています。いわゆる5月の嵐でしょうか、そんな夜に手がかりのない3階まではしごを掛けて、ついには落下するスペクタクル。色合いもいいですよね、それは月明かりだけの神秘的な夜でして。そんな風に、この夢が結月さんにとってドキドキするヴィジョンであったことは映像としてわたしにも伝わってきました。
結月さんが高所でドキドキすると言えば、彼女が高所恐怖症であることも思い出されます。高所恐怖症という言葉が第7話に出てくる他、ヘリで輸送されるのを怖がるなどいつもその様子が描かれています。ヘリは誰でも慣れない内は怖い気がしますが、キマリさんと日向さんが初めから平然としてるため、結月さん(と報瀬さん)が相対的に怖がって見える面もあります。それにしたって程度はともかく結月さんが高所を苦手としてることは確かでしょう。
だけど、夢の中ではいつもみたいに高所を怖がってるという様子じゃないんですよね。ドキドキするような映像ですが、びくびくはしていない。結月さんが僅かな緊張とともにキマリさんのほうへ伸ばした手は、しかし、震えてはいませんでした。
目が覚めた後、夢のことを思い返して笑う結月さんは、会ったばかりの三人が夢に出てくる不思議さ、彼女らがなぜか窓からやってくるという面白さ、キマリさんと手を繋いだときの意外な実感、そして、普段の自分ではありえない高所での冒険、たぶんそういうことがまぜこぜになって、なにそれ、なんかもういろいろ可笑しくてならなかったのではないでしょうか。
それに、昨日抱きしめられた相手と手を繋ぐ夢みるのむっちゃ恥ずかしいですよね。会ったばかりの人なのに、わざわざ来てくれて手を伸ばしてくれる、わたしもその手に触れちゃうなんてありえないよね、なんて、たかが夢のことなのにいろいろ考えてしまう。そして笑った後、胸がちくりとすることに気づく。
他愛なく気持ちが浮き沈みしてしまうのも、ヘリに乗り込むたび報瀬さんは我慢してるのに結月さんは遠慮無く震えていられるのも、他の三人と比べたときのあどけなさではあるのですが、結月さんはその分、三人よりも夜みる夢と近い場所にいることが出来てるんじゃないでしょうか。例えば誰かと手を繋いだっていうそれだけをとっても、架空のことだけど、しばらく抱えていたい大事な出来事じゃないですかね。そういう夢で出会ったこととも、善し悪しだけど、ひとつひとつ寄り添ってゆく。
夢に気持ちを揺らされるなんて誰にでもあることかもしれませんが、作中ではそれが結月さんの元にだけ現れて、その夢はめくるめく映像で、見る人の心を叩いていて、そういう秘密めいた夢の訪れと夢見る人のことを私は美しく思います。
個人的に、美しいヴィジョンは個人を超えて溢れ出してゆくものであってほしいと思います。第3話のときは結月さんだけのものだった嵐の夜のスペクタクルへ、第8話の「吠えて、狂って、絶叫して」では結月さんのいざないによって四人が一緒に巻き込まれてゆきました。《ちょっと外行ってみたいですね》という結月さんの言葉は呪文で、扉の向こうに再び嵐の夜が開かれました。ここでもまた結月さんは揺れに揺れる高い手すり際を怖がることなく、今度は4人で一緒にその姿を見つめます。
夢の溶け出した夜に雨は塩の味がして、それは高波であって、海に放り出されそうになることさえ可笑しくってならない。それはもう思慮分別もなく馬鹿げてるけど、抱えていたい大事な瞬間で。
そんな風に、結月さんが三人ともたらしたありえないみたいな夜の姿を、私はたいへん好ましく思います。そして、映像や音楽も大きく寄与したファンタスティックをどうしたら言葉にできるのか、自分のなかで理の退いたひとときをどうしたら捉えることが出来るのかを、悩ましく思いながら書いています。
(2018年5月7日 疏水太郎)
宇宙よりも遠い場所から見た宇宙
アニメ「宇宙よりも遠い場所」でははじめ南半球の星が出てくることを期待していました。わたし星座、好きなんですよ。
後で南極観測隊について調べると、なるほど、太陽の沈まない白夜のうちは星も見えない。4人の旅のモデルとなった夏隊は白夜の始まった後にやってきて、終わったころにすぐ帰っちゃうんですよね。昭和基地の白夜は例年11月20日頃から1月20日頃まで、一方、夏隊が昭和基地へ着くのは12月下旬、基地を発つのは2月上旬となっています。
小淵沢天文台の建設地は地図(第11話)によると昭和基地よりも高緯度にありますので、白夜の期間が昭和基地より長くなります。ですので、小淵沢天文台で観測をするためには、必ず夏隊ではなく越冬隊に加わる必要があります。約束したし、いつかまた、そういう日も、ね。
よりもい本編で星座が描かれることはありませんでしたが*1、あきらめきれずオリオン座と冬の大三角の絵を描きました。南極だと夏に見えるので夏の大三角かも知れませんが・・。
4人の参加した夏隊が基地を発つ頃ってこんくらいかなぁ、と、2019年2月15日 22時(現地時刻)の夜空を描いてみました。南半球では日本で見る星座の形とは上下逆になって見えますので、オリオンも真っ逆さま、第3話の結月さんの夢みたいに地平へ落ちてゆきます。
上の絵でめぐっちゃんが群馬から見てるオリオンとキマリさんがシドニーやフリーマントルから見てるオリオンが上下さかさまになるのが判りますでしょうか?
オリオンは赤緯0度前後の星座なので、北極点からは上半身しか見えなくなりますし、南極点からは常時地面に頭が埋もれて下半身しか見えなくなります。ちょっと可笑しいですよね。昭和基地では地平線から顔を出せるので、ちゃんと息継ぎできます。
よりもい本編では星座が出てきませんでしたが、エンディングアニメには南天の星座がたくさん描かれています。
(画像は宇宙よりも遠い場所エンディングアニメより。)
南十字星以外の南天の星座が描かれているのは珍しいのではないでしょうか。マッドハウスのロゴのところにみずへび座、プリンみたいで可愛いテーブルさん座、みずへびのお腹の下あたりに輝いてるのがエリダヌス座の一等星アケルナルです。南天の一等星は日本からはほとんど見えないか全く見えないもので、数は少ないながら上の画面のなかには全て収まっています。マッドハウスのロゴのすぐ右に船の絵があって、りゅうこつ座の1等星カノープスが輝いています。船の上にある十字架はもちろんみなみじゅうじ座で、画面では目立ちませんが1等星がふたつあります。南十字のすぐ左で大きく輝いているのが1等星アルファ・ケンタウリ、その右のハダルも1等星です。
星と言えばよりもい本編では、南極星はあるのか、という話が第4話に出てきます。第13話ではそれを受けて、キマリさんが夜空に南極星を定めます。
キマリ「あれだよ、あれが南極星、決定!」
報瀬「あんな明るくないと思うけど・・」
「空にある星が全てと思うなかれ」(第4話の日向名言)ですよ、報瀬さん。夜空には空想のヴェールがかかることもある。
それはそうと、キマリさんは高いところにある明るい星を適当に指さしたと思うので、なんとなくカノープスかアケルナルかなぁ、と思います。南十字付近の星だったら南十字のほうに気をとられそうですから、南十字から遠い1等星に絞ってみました。
エリダヌス座の1等星アケルナルは私のいちばん好きな星ですが、ずっと南の星なので日本で見るのは難しくて、まだ見たことはありません。見たことないけど大好きで、憧れるってそういうもんじゃないですかね。
エリダヌスはギリシア神話に登場する川の名前で、川の流れをかたち取った星座です。オリオンの足元から流れ始めるこの川は、南の地平線にたどり着いて、その先端に1等星アケルナル、アラビア語の「河の果て」に由来する名前の星が輝いています。わたし、星だけじゃなく川も好きなのでこの星座のことは重ねて好きでして。
南の星であるためヨーロッパでは大航海時代まで公知でなく、アケルナルが発見されたことでエリダヌス座の果ては従来よりも南へ伸びることになりました。探検によって星座の果てのさらなる果てが見つかったことはロマンチックに思えます。南極もヨーロッパから見るとそうした河の果てとして目指された土地でした。アケルナルのことを思うとき、私もまだ見たことのない果てのことを思います。キマリさんの指差した星もアケルナルだったとしたら、嬉しいと思います。
最後に、大気圏内の現象ですがオーロラにも少し触れておきたいと思います。キマリさんたちが南極からの帰路に見ることのできたオーロラですが、めぐっちゃんの写真にもオーロラは写っています。オーロラは原理上、南極圏と北極圏で同時に発生して、地磁気の緯度経度が同じ場合、見える形もほとんど同じになります(詳細はこちらで。 http://polaris.nipr.ac.jp/~aurora/nsato_conj_obs.html/index.html)。なので、キマリさんとめぐっちゃんは南極と北極で同じ時間に同じかたちのオーロラを見ていたかもしれませんね。
だけど、違うものは違ってて、遠く離れたその場所から見えるオリオン座はさかさまで。第10話のキマリさんは《絶交だって言われたんだけど、私は友達だと思ってて。》と言ってますので、キマリさんとしては絶交無効が言い逃げみたいになっちゃってて、めぐっちゃんの同意を明に得てないと思ってるぽくて。キマリさんとめぐっちゃんというひとつの関係は、絶交で友達、という見る側によってさかさまのままで、それでもまだ続いています。
ふたりの別れからこのかた、汲めども尽きないキマリさんによる連帯のメッセージを、めぐっちゃんはもうそのままには受け取れない。だから、めぐっちゃんは《おまえのいない世界》へと歩を進めました。そこはたぶん、キマリさんがいないけどキマリさんのいる場所で、めぐっちゃんがいないけど、めぐっちゃんのいる場所で、この地上にそんなどうかしちゃってる場所があるのか、と思うのですが。
もしかすると、ひとつのものを見てひとつのものがさかさまに見えるくらい離れることが出来たならば、さかさまオリオンには時とかたちのかみ合ったみたいなヴェールが重なって見えることがあって、ごく稀な符合かもしれないけど、ふたりはそうした瞬間の気持ちを抱えることで、一緒でいられるんじゃないかな、とめぐっちゃんの送ってきたオーロラの写真に思います。
(2018年5月6日 疏水太郎)
※説明のためアニメ作中の画面を引用させていただきました。引用に際しては、トリミングを行っております。
引用されたアニメ作中の画面の著作権は、(C)YORIMOI PARTNERS 様にあります
*1:その後、第7話の蓄光塗料の夜空がじっさいの星の並びであることが判りました。https://twitter.com/canalsphere/status/1000363490668761093 また、TTS@TransTerraScape さんが第13話のオーロラの空がじっさいの星の並びにほぼ一致することを発見されました。すごい。 https://twitter.com/TransTerraScape/status/1000391144532951040
砕氷艦しらせに会いに行く in 横須賀
4月21日(土)宇宙よりも遠い場所に登場する砕氷艦しらせをひと目見ようと横須賀へ行って来ました。関東でしらせに会おうと思うとチャンスは限られてますので気合い入れて行きましたよ。
【しらせに会えるチャンス】
しらせがいまどこにいるのか、っていうのは探さなきゃ判りませんで。東京埠頭の入港情報、目撃情報、AIS(船舶自動識別装置)情報などで探す必要があります。一番役に立ったのはTwitterでの目撃情報でした。
・2018年4月11日(水)しらせ、東京・晴海埠頭へ帰港
平日なので行くのは難しいですが、帰港の様子はメディアで広く報道されてましたね。
昭和基地からシドニー経由で帰ってきたしらせは、まず出港地である晴海埠頭へ帰還し、船上および客船ターミナルにて帰国式典が執り行われます。
・2018年4月12日(木)しらせ、東京・大井埠頭へ入港
晴海は客船ターミナルなので、コンテナその他物資、荷物の積み降ろしは大井埠頭で行われます。
2015年のしらせ in 大井埠頭 の様子 http://jare55.ti-da.net/e7457628.html
・4月14日(土)15日(日) しらせ、晴海再入港の予定がキャンセル
例年、しらせはもう一度晴海へ戻ってくるのですが、今年は14日15日の予定が急遽キャンセルされました。見にゆこうと思ってたのに・・・!
この後、自衛官応募希望者を対象とした体験航海(晴海から横須賀へ)の行われるのが通例ですが、これも今年はなくなったようです。
・2018年4月14日(土)しらせ、横須賀へ帰港
海上自衛隊横須賀基地の逸見岸壁へ着岸。母港横須賀へ帰港しました。
しらせが横須賀へ帰港することはTwitterで何人もの方がつぶやいておられたので助かりました。知らなかったら見にゆけませんでしたね。
この後、ゴールデンウィーク前には修理のため鶴見のドックへ移動するようです。
なので、ドック入りする前になんとか会えれば、と祈りつつ、私は21日(土)朝に横須賀へ向かいました。
【横須賀のしらせに会ってきた】
横須賀の土地勘はなかったのですが、「ヴェルニー公園」という場所から見えるという情報を頼りにJR横須賀駅を目指しました。すると・・・
なんと、横須賀駅のホームからもう見えてるじゃないですか! でかい! 大興奮。
結果的には京急汐入駅ではなくJR横須賀駅で降りて正解でした。
駅を降りた目の前がもうヴェルニー公園でして、そこから横須賀基地のしらせを見ることができます。朝10時過ぎに着きましたが、もう写真を撮りに来ている人がちらほらと、5、6人だったでしょうか。しらせを撮っている人もおられますし、他にも多数の艦船が停泊していますのでそちらを撮っている人も。
しらせは海上自衛隊横須賀基地内の逸見岸壁という場所に着岸してますので、一般公開の日でもない限りはこのヴェルニー公園から眺めるか、湾内の遊覧船に乗って眺めるか、あとは基地の入口から眺めるかしかないです。
おお、あともう少しなのに・・。一般公開が待ち遠しいですね。
見たいところは望遠(10倍程度)でわりと見えました。たとえばこちら、よりもい第1話に登場するコンテナセルガイド(右舷)。
(第1話 呉港しらせ一般公開の場面より。コンテナは空っぽ。)
つづいて第7話に登場するコンテナセルガイド(左舷)。
(第7話より。緑と青のコンテナは大井埠頭で積載済みのものと思われる。フリーマントルでは何か追加の貨物を積み込んでいる。)
コンテナセルガイドはコンテナを真っすぐたくさん積んで固定するための柱で、南極出発前である呉港のしらせにはコンテナの積まれていないことが判ります。横須賀港で撮ったしらせのコンテナセルガイドももちろん空っぽです。
それでですね、一部のひとはこのコンテナに見覚えがありませんか?
これ、2018年3月31日の極地研×よりもいコラボイベントで、会場前の広場に無造作に置かれていたコンテナと同型のものですよね。ポスターにも描かれてました。
http://tbt.gr.jp/tachikawa_anime/yorimoi_nipr.html
あそこで見たコンテナがここに載るのかと思うとですね、コンテナセルガイドにも自然と注目してしまうのでした。
あとせっかくなので、しらせさんのまあるいお顔も載せておきます。
正面顔、船首がとがってなくて、そのまま真四角の艦橋が載ってるの、○と□でかわいいですよね。
1時間くらいずっとしらせを眺めていると目が慣れて小さく思えてきましたが、ランチを食べてまた出てきてから改めて見たらやっぱ大きいな!
【逸見岸壁としらせ】
しらせの着岸している逸見岸壁は現在の二代目しらせが就役した翌年2010年の4月に完成しました。しらせが南極への初航海を終えて日本へ帰ってきたのがちょうどその4月で、しらせは横須賀へ入港し、逸見岸壁の接岸第1号の船となりました(2010年4月15日)。逸見岸壁は二代目しらせの誕生とともにあって、ふたりは幼馴染のような関係に思えます。
【この後のしらせ】
この後のしらせは、ドック入りした後、次の南極ゆきまでに、国内巡行と寄港地での一般公開を行います。たとえば去年の予定はこちら。
平成29年度「しらせ」総合訓練と一般公開の紹介 | 公益財団法人日本極地研究振興会
ちなみに、寄港地といえば実は帰路のシドニーでも特別公開しています。
http://www.sydney.au.emb-japan.go.jp/document/japanese/Shirase2018.pdf
国内巡行先は毎年異なるので、必ずしも関東で一般公開されるとは限りません。
あと横須賀基地での一般公開もあったりなかったりです。
2017年は、8月5日(土)に「横須賀地方隊サマーフェスタ2017」(http://www.mod.go.jp/msdf/yokosuka/event/sama2017/sama2017.html)でのしらせ一般公開、8月19日(土)20日(日)に「マリンフェスタ in FUNABASHI」と「チャレンジングSHIRASE2017」共催(http://www.city.funabashi.lg.jp/event/festival/p054371.html)にて、先代の SHIRASE5002と一緒に船橋でのしらせ一般公開がありました。
2016年は、8月6日(土)に「横須賀地方隊サマーフェスタ2016」(http://www.mod.go.jp/msdf/yokosuka/news/28/24.html)でのしらせ一般公開がありました。
2015年には関東では一般公開がなかったようです。
今年も船橋か横須賀で一般公開があることを祈りつつ。
(2018年4月22日 疏水太郎)
※説明のためアニメ作中の画面を引用させていただきました。引用に際しては、トリミングを行っております。
引用されたアニメ作中の画面の著作権は、(C)YORIMOI PARTNERS 様にあります。
宇宙よりも遠い場所(よりもい) 私的リンク集
気になるところを中心に、追加中。
・公式情報
・メディア (2018/6/25更新)
・舞台探訪 (2018/6/25更新)
・語り、評論、その他の取り組み (2018/6/1更新)
■ MADHOUSEサイト
『月のワルツ』から『宇宙よりも遠い場所』へ いしづかあつこ監督の軌跡・連載第1回目(2017年12月25日)
最新作『宇宙よりも遠い場所』への想い、目指すもの
(2017/12/25 告知:https://twitter.com/Madhouse_News/status/945203963938316288)
・連載第2回目(2018年3月24日)
いしづか監督の原点 デビュー作『月のワルツ』
「みんなで目指す」「みんなで作る」のがアニメーション
(2018/3/24 告知:https://twitter.com/Madhouse_News/status/977429256320921601)
・連載第3回目(2018年3月29日)
初のTVシリーズ監督『さくら荘のペットな彼女』
――『ノゲノラ』へつづくもの――
(2018/3/29 告知:https://twitter.com/Madhouse_News/status/979294770492092416)
【メディア】
■ エキサイトレビュー
いしづかあつこ監督と田中翔プロデューサーへのインタビュー。これちょっと訊きたいよね、という程度の話はだいたい出てくるし、それ以上の箇所ももちろん面白い記事です。《お互いに目も見ないで喋っていました。》とか。・インタビュー前編:「宇宙よりも遠い場所」いしづか監督&田中プロデューサー「最初は女の子が主人公のラブコメだった」(ライター:丸本大輔)(2018年3月12日)
・インタビュー後編:「宇宙よりも遠い場所」いしづか監督&田中P「キマリたち4人に重ねているのは、自分の高校の頃の友達」(ライター:丸本大輔)(2018年3月13日)
■ MANTANWEB
・アニメ質問状:「宇宙よりも遠い場所」 一見してシンプルであること 感情がストレートに伝わるように(2018年01月27日)
田中翔プロデューサーへのインタビュー。■ アニメハック
・新春アニメプロデューサー放談(1)KADOKAWA田中翔氏 「パッケージが売れる作品を作りたい」(取材・構成/五所光太郎(アニメハック編集部))(2018年1月1日)
■ Webアニメスタイル
・サムシネ!
キャラクターデザイン・総作画監督の吉松孝博氏の絵日記。第275回以降、よりもいの記事が多い。
■ アニメイトタイムズ
・TVアニメ『宇宙よりも遠い場所』井口裕香×早見沙織、演じるキャラの〇〇かわいいところ!/インタビュー (取材・文/塚越淳一)(2018年1月13日)
名言という視点から引き出された、井口さんの的を射た言葉。《井口:名言を出せるくらい、自分の中でいろんな物事を整理して考えている子なんでしょうね。》日向は整理している、そして、整理してしまう人。
■ コミックナタリー
・アニメ「宇宙よりも遠い場所」水瀬いのり&花澤香菜インタビュー(取材・文 / 鈴木俊介)(2018年3月13日)
最終回放送前のインタビュー。
■ Real Sound
・『ノゲノラゼロ』&『よりもい』劇伴手がけた藤澤慶昌に聞く 異世界と日常を音楽でどう描くか?(取材・文/中村拓海)(2018年3月20日)
■ 朝日新聞デジタル
・女子高生は南極を目指す アニメ製作に極地研が協力(杉本崇 記者)(2017年12月30日)
いしづか監督へのインタビュ-も。
■ Febri
Vol. 49 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
p.4 - p.39(宇宙よりも遠い場所・巻頭特集)
【スタッフインタビュー】
- p.6-9 監督 いしづかあつこ(取材・文/前田久)
- p.10-13 シリーズ構成・脚本 花田十輝(取材/宮昌太朗・構成/福西輝明)
- p.14-15 キャラクターデザイン・総作画監督 吉松孝博(取材・文/前田久)
- p.18-19 プロデューサー 田中翔(取材・文/宮昌太朗)
【ヒロインプレイバック】
- p.20-21 玉木マリ(文/岡本大介)
- p.24-25 三宅日向(文/前田久)
- p.26-27 白石結月(文/夏葉薫)
【Febri Art Style】
- p.28-31 美術監督 山根左帆 インタビュー(取材・文/宮昌太朗)
【『よりもい』ファンのためのFebri流南極ガイド】(取材・文/岡本大介)
- p.34 国立極地研究所 本吉洋一さんへのインタビュー
- p.26 じんから 堅谷博さんへのインタビュー
Vol. 47 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
p.62 Febri RECOMMEND 宇宙よりも遠い場所 (文/夏葉薫)
よりもいの輪郭ハイライトに対するエレガントな視点を提示。よりもいの白は必ずしも光線を反映しておらず、塗り残しの白に近いものであり、そこから彼女たちの地の質感が透視されている。
p.170 - 173 宇宙よりも遠い場所 監督/いしづかあつこインタビュー(取材・文/前田久)
4人のいる場所・話の進行に伴う色彩設計の変化ついて。絵コンテを切るときに必要なこと、制作チームが南極に触れていったプロセスが詳しい。
■ エキサイトニュース
・『月のワルツ』から10周年!『ハナヤマタ』『ノゲラ』...職業アニメ監督として生きるいしづかあつこの半生(取材・文/真狩祐志)(2014年12月8日)
いしづか監督の制作に対するスタンスはこちらが詳しい。《個人でアニメを作りたいって欲求は一切なくて、目指してるのは集団作業です。》《そこに私の個性が反映されてるんだとしたら、それはたまたまにすぎなくて、やってるうちに頭の中でかみ砕く作業は入ってくるので、そこからにじみ出たものを『個性』として捉えていただけるんでしょうね。今までの作品で、私個人のメッセージがどれだけ入ってるかというと、メッセージなんて詰めてないので謎です。》よりもいで初のオリジナル作品の監督をされて以降のインタビューでも、この姿勢は変わっておられない。
■ ノーゲーム・ノーライフ
・原作・榎宮祐氏&監督・いしづかあつこ氏よりコメント到着!
ノーゲーム・ノーライフの時のいしづか監督のコメント。
■ ウルトラジャンプ
・2018年4月号 p.512-513
いしづか監督インタビュー。
■ 月刊ニュータイプ
・2018年1月号 p.84-85
いしづか監督インタビュ-。描き下ろしイラストは高橋美香(スタジオ・ライブ)。
・2018年2月号 p.82-87
いしづかあつこ×花田十輝インタビュー。ふたりの協同の過程がどうだったのか最もよく判る記事。 描き下ろしイラストは高橋美香(スタジオ・ライブ)。
・2018年3月号 p.46-47
キャスト座談会(水瀬、花澤、井口、早見)。描き下ろしピンナップは竹腰充保(株式会社グロム)。
・2018年4月号 p.42-43
花田十輝インタビュー(ショート)。4人の友情が物語の柱となったきっかけは第3話。第10話の起点となり、キマリからめぐみへの思いにも影響。 描き下ろしイラストは HIROKO WATABE。
・2018年5月号 p.98-99
最終話放送後のいしづか監督インタビュー。花田脚本(台詞)の効果、11話での挑戦、12話にあまり音楽を付けていない理由、キャラデザの狙い、など。 描き下ろしイラストは大島美和(スタジオ・ライブ)。
【舞台探訪】
■ 館林くらし
ナカヤマコン様個人運営の館林地域情報メディア。よりもい現地情報が充実。まずはここから。
・「宇宙よりも遠い場所」聖地巡礼ガイド 記事一覧
■ よりもい関連についてをまとめるところ
Itsuki 様の個人サイト。実際の旅行プランと店舗の定休日情報、巡礼ノート設置店情報がお役立ちです。
・1泊2日で巡る、宇宙よりも遠い場所 館林周辺聖地巡礼
■ xckb的雑記帳
ほそかわ たつみ様の個人サイト。舞台探訪以外の文章も充実。
https://xckb.hatenablog.com/archive/category/宇宙よりも遠い場所
■ 疏水分線
私のサイト。第2話の歌舞伎町逃走ルートを地図にしました。
・よりもい第2話より、歌舞伎町ストライド オルタナティブ
【南極地域観測隊関係】
■ 世間がもし30人の基地だったら
第57次日本南極地域観測隊員 みなもとやすひろ様のブログです。よりもいに関する記事はこちら。
http://nankyoku-30nin.hatenablog.com/archive/category/よりもい
■ 第59次南極地域観測隊 ~越冬隊員の記録~
第59次南極地域観測隊(JARE59,59th Japanese Antarctic Research Expedition)に参加する隊員の方の記録です。
・2018.04.01宇宙よりも遠い場所-聖地巡礼?その1-
・2018.04.03宇宙よりも遠い場所-聖地巡礼?その2-
・2018.04.04宇宙よりも遠い場所-聖地巡礼?その3-
・2018.04.05宇宙よりも遠い場所-聖地巡礼?その4-
【イベントレポート】
■ xckb的雑記帳
ほそかわ たつみ様の個人サイト。いしづか監督と吉松孝博さんの参加されたアニメスタイルイベントのまとめが有り難いです。
・感想・レポート「第144回アニメスタイルイベント 南極到着記念!『宇宙よりも遠い場所』を語ろう!!」
イベントで触れられていた、色にブラックを使わないというよりもいの色彩設計は、同じくいしづか監督のハナヤマタと共通ですね。ハナヤマタのブラックを使わない色彩設計については「ハナヤマタTVアニメ公式ガイドブック」でいしづか監督が詳細に紹介しておられます。
・宇宙よりも遠い場所 × 国立極地研究所 コラボイベントに行ってきました
■ NOLIA様のpixivページより
・宇宙よりも遠い場所×国立極地研究所イベント、レポ
・チャレンジングSHIRASEwithよりもい、レポ
【語り、評論、その他の取り組み】
■ CLIP* CLAP*
さけとめ様のtumblrより、宇宙よりも遠い場所の感想。感想とは随想を伴っていて欲しいと思うので、好きです。
http://yrkhang.tumblr.com/tagged/宇宙よりも遠い場所
■ xckb的雑記帳
・そろそろ「宇宙よりも遠い場所」についてちゃんと語ろう
ほそかわ たつみ様の個人サイトより。
■ Paradism
shirooo105様の個人サイト。よりもいの記事はこちら。
http://shirooo305.hatenablog.com/archive/category/宇宙よりも遠い場所
■ cublic in another
kokonosotose様の個人サイト。よりもいの記事はこちら。
http://mkcubic.hatenablog.com/archive/category/宇宙よりも遠い場所
■ 吾ただ足るを知らず。
■ 社会人から教員に
きたまこと様の個人サイト。現役教員の視点で見る愛情あふれるよりもい話。
■ イマワノキワ
・宇宙よりも遠い場所:第1話から第13話 感想ツイートまとめ
コバヤシ様の個人サイト。レトリカルな疾走。
■ 宇宙よりも遠い場所 BGMリスト
kaz382 様による、13話分のBGMリスト。サントラにない音源も調査されています。すごい。
BGMリスト:https://t.co/w2JZNWYT1k
関連Tweet:
https://twitter.com/kaz382/status/988396447845380097
https://twitter.com/kaz382/status/989474937806012417
■ 於鳥制作所
映像制作のお仕事をされている於鳥制作所様のサイト。・構図研究 『宇宙よりも遠い場所』 10話より
https://otori-production.jimdo.com/180417/白石結月さん、絵手紙まとめ(1)
宇宙よりも遠い場所(よりもい)より、pixivに投稿した結月さんのまとめです。描いた順なので、作中の時系列とは違ってます。上から新しい順。
東武線の情報はこちらで教えて頂いたものです。 https://twitter.com/tsu__chan/status/994645537172307968
よりもい第2話より、歌舞伎町ストライド オルタナティブ
アニメ「宇宙よりも遠い場所」第2話で歌舞伎町を駆け回った3人と2人の軌跡を描いてみました。
あの夜、みんながどんな風に走ってたのかを、もっと考えていたかったのです。
それで、そうするためには矢印を描くことかなと思って、報瀬さんの「逃げて!」に始まる猛ダッシュをカット番号1として、全52カットの動きを矢印で追えるようにしました。
こうして全力で疾走して、さっと別れたりまた合流したりすることによって、普通の街がアトラクションみたいに見えてくるのは面白いですよね。いしづかあつこ監督はプリンス・オブ・ストライド オルタナティブのときもそんな楽しくて爽快な映像を作っておられたように思います。
さて、地図のほうはちょっと説明がいるかと思いますので、以下で見てゆきますね。
(地図はスワイプかクリックで大きく表示されます。)
【場所A】エロうま野菜と肉寿司 カンビーフ歌舞伎町店(作中では「エロうま!肉バル」)
南極観測隊員親睦会の会場です。メンバーがお店の前へ出てきます(そして結月さんも初登場)。
【場所B】無料情報館看板
報瀬、キマリ、日向の3人が潜んでいる場所です。角から顔を出すと、場所Aの様子を窺うことができます。
日向「昭和か!」
【カット1】疾走開始!
かなえさんと弓子さんに見つかって、報瀬さんの「逃げて!」の声で3人が走り始めます。
カット1
【カット2】【場所C】TOHOシネマズ新宿のゴジラヘッド(作中では牛の怪物)
弓子「コォラーーーッ!」
ときどき吠えて煙を吐く東宝ビルのゴジラです。ゴジラはさすがにまずいので、別の怪物になってますね。
【カット3から5】疾走する3人。
キマリ「日向ちゃんはやい」
日向「いちおう短距離だったらな。別れたほうがいいんじゃないのか?」
背景はループですが、【場所D】ラーメン王 のメニュー写真が見えるのでここに矢印を描きました。
カット5
【カット6】【場所E】ラーメン・どうとんぼり神座(かむくら)
かなえさんは普通ですが、弓子さんは日向さん同様陸上選手みたいな腕の振り。日向さんは速いが、弓子さんも速い、という絵がこの後も続きます。
あと個人的な話で恐縮ですが、わたしは神座のラーメン大好きです。
カット6
【カット7】
報瀬「携帯で!」
カット3から5と同じ場所です。ここから【場所F】の角へワープします。
【カット8,9】【場所F】喫茶室ルノアール前(作中ではルノワール)
ルートが別れる見せ場。
日向さんが左へ、キマリさん、報瀬さんが直進です。
続いてやって来る弓子さんが速いほう(日向さん)を追って左へ、かなえさんが直進するという見事な息の合いよう。喋りながら走る3人とは対照的に、声を掛け合うまでもなく二手に分かれる2人が格好いいですよ。
カット8
【カット10から21】【場所G】思い出の抜け道
報瀬さんが広い道を行こうとするのですが、キマリさんが気づいて思い出の抜け道へ報瀬さんを押し込みます(カット10)。チェイスでは欠かせない感じの物が多くて狭い路地です。
キマリ「うん、ただ、楽しいなぁて」
カット10
【カット22,23】【場所H】ゴールデン街・新宿遊歩道公園四季の道
一帯はゴールデン街ですが、入口の手前で曲がって四季の道を走ってゆきます。
日向さんが楽しそうな表情で疾走するのを見ることができる良いカットです。
ちなみに、この緩やかにカーブした小道はかつて走っていた都電の線路跡。
カット23
【カット24,25】キマリの青春
キマリ「わたしの青春、動いてる気がする!」
キマリさんと報瀬さんのふたりが、ぱっと二手に分かれる絵。ここからはキマリさんも独りになって、キマリの青春が動き始めます。挿入歌の「宇宙を見上げて」もちょうどサビに入るので震えますね。
カット25
【カット26】キマリ疾走
走るキマリさんの足元の絵です。これがどこなのかは判らなかったので、次との接続も考えて靖国通りに矢印を描いてみました。
カット26
【カット27から29】【場所K】外呑みの美味小屋
日向さんが居酒屋とまり木(作中では泊木)の角を曲がり、路地で外呑みしているお姉さんたちのほうを見ています。いったん看板に体当たりしてしまう勢いがよいですね。
カット28
【カット30】【場所I】新宿大ガード東
こちらの歩道橋は探したのですが、見つかりませんでした。後のカット33,34の風景からすると、ここになくてはならないのですが、多分、どこか別の場所にモデルとなった歩道橋があると思います。
カット30
【カット31,32】【場所J】ロボットレストラン
ロボットレストランの前を抜けて行く報瀬さんです。
カット32
【カット33,34】歩道橋を走るキマリ
ここで走ってるキマリさんが好きでして。ロングショットで撮られた疾走する彼女の姿は、この街で彼女だけが生きる喜びを知っていて、だから彼女は走っているんだ! というぐらいの出来事が起こっているように見えるのです。
この歩道橋を探したくて歌舞伎町まで出かけたのですが、見つかりませんでした。西新宿側の新都心歩道橋かもとは思いましたが、周囲の絵や色が合わないし場所も遠いので採りません。
しかし、歩道橋の背景は【場所I】新宿大ガード東から靖国通りのほうを見たときの風景ですので、矢印はここに置いています。
見つからなかった時は残念でしたが、今はむしろ、実際にはありえない風景であることが特別に思えます。
カット34
【カット35,36】日向ソーシャルステルス
日向さんが外呑みしてるお姉さんに交じって弓子さんをやり過ごそうとする屈指の面白カットです。手を振ってくれる陽気なお姉さんたちもいい。
カット36
【カット37,38】【場所L】新宿サブナード駐車場入庫口(作中では新宿サブマリン)
報瀬さんの靴が脱げるのは、駐車場入庫口前の横断歩道です。
カット38
【カット39から41】報瀬のバトン
靴はキマリさんが拾って報瀬さんと合流します。
まるでリレーで報瀬さんの落としたバトンをキマリさんが拾ったみたいな、キマリさんのフォローが輝く場面です。
リレー形式のプリンス・オブ・ストライドでは走者交替(リレーション)のための合流がコミュニケーションの要点だったことが思い出されます。
カット39
【カット42】謎のコンビニ
コンビニ前を日向さんと弓子さんが駆けてゆくのですが、どこのコンビニなのか探し当てることができませんでした。
ここではありませんが場所が余ってる靖国通りの上に矢印を置いておきました。
カット42
【カット43から49】ラストラン
パチスロ地帯を全員で駆けて行くラストランです。南から飛び出てきた日向さん(カット47、49)と西からやってきた報瀬さんキマリさん(カット48)が見事にごっつんこ。
カット46
【カット50,51】【場所M】日本鮮魚甲殻類同好会(作中では日本甲殻魚介類同好会)
ついにお縄です。お疲れ様でした。
カット51
【カット52】
その後の3人と2人は喫茶室ルノアールで話をすることになります。
カット52
歌舞伎町を駆け抜けた3人と2人の軌跡の紹介は以上となります。いわゆる聖地巡礼をした後に、Google ストリートビューで細かいところを詰めて作成しました。
照らし合わせてみると軌跡にはワープ箇所がありますが、作品上の描写は実際の位置関係に縛られる必要はないものと思います。それでもあえて、本記事では彼女たちが全力で走っている姿を作品外の角度からも感じられるようにしたかったので、矢印を引いて表現してみました。
矢印を引くなかでこれどこなのか判らないとしたカット26は、キマリさんの走る足元と流れる背景だけで、他よりも手がかりがずっと少なくなっています。ここから歩道橋(カット33、34)までのキマリさんは内なる言葉を伴っていて、彼女はロケハンで描かれたあの街から浮揚して、青春なるものへと迫っていたのかもしれません。最後の歩道橋に至っては先に述べたよう他の風景と成り立ちが異なっていて、そういうありえないみたいな場所へ届きそうな瞬間が、あの疾走のなかにあったのだと思います。
また、3人の軌跡を改めてなぞってみると、報瀬さんと報瀬さんについて来たふたりで3人一緒だったのが、走り出してからは1人別れ、また1人別れ、ついには3人バラバラになって、別れたひとたち(日向さん、キマリさん)はもうそれぞれ勝手に1人で笑顔になって走ってるの、本当いい絵だと思います。3人揃ったばかりの彼女たちだけど、いったん別れることで「わたしの青春」が加速してゆく。
ここまで読んでくださった方にとっても、あの素敵な夜の、報瀬さん、キマリさん、日向さん、そしてかなえさん、弓子さんの勇姿を振り返る一助となれば幸いです。
(2018年4月15日 疏水太郎)
※本記事のカット番号は独自に振ったものです
※番号と絵を照合できるよう、アニメ作中の画面を引用させていただきました。
なお引用に際しては、トリミングを行っております。
引用されたアニメ作中の画面の著作権は、(C)YORIMOI PARTNERS 様にあります。